あなただけのラブストーリー
迷いの先に見えたもの
また、慶応ボーイでもある彼は、オシャレでスマート。
ワインを嗜みそれに合うフレンチを自分から作るような、そんなお洒落系男子だ。
しかし、そんな彼だが、凝り性な性格が難じてか、入会直後はなかなか女性から良い返事がもらえないことが続いた。
そこで成婚コンシェルジュの家泉は先輩成婚コンシェルジュに相談し、あえて彼の出した条件を外し、彼と合いそうな女性を紹介した。
その紹介こそが、祥子との出会いのキッカケになった。祥子は有吉好みの、まさに自立した女性であった。
「自分の中にしまっておいた心の鍵を、カチャっと開けられた感じです。」
都内の有名大学病院に勤務し、助産婦として第一線で活躍している祥子に、有吉はすぐに夢中になり、家泉にこう報告した。
祥子もまた、有吉の一途な思いに惹かれていた。
二人は、このままゴールまで一直線!そう思われたのだが。
まだ会ったばかりなのに「交際して欲しい!」と言われ、結婚まで意識している有吉のスピード感に、ついていけないところがあったのだ。
もちろん、自分も有吉のことを気に入っている。素敵で自分にぴったりな男性だと感じている。
ただ少し物足りない、一緒にいてドキドキを感じられることが少ないのだ。
お互いが忙しい中で、大きな進展のないまま気がつけば数ヶ月が経っていた。
同じ時期、実は祥子はある別の男性にも興味を持ち始めていた。友人の知り合いの‘少し遊び人風の男性’に惹かれていたのだ。
でも彼は俗に言う“女泣かせのタイプ”。そこまで分かっていながらも、祥子はしばらく彼のことが気になって仕方なかった。
こんな宙ぶらりんの気持ちのまま、有吉と付き合うことはできない。
有吉の気持ちが一途であればあるほど「申し訳ない」という気持ちに苛まれ、「交際は中止にしたい。
婚活も辞めようと思っている。」と有吉に正直な気持ちを伝えた。
もう打つ手がない。こんな思いをするくらいなら初めからこの出会いをなかったことにしたい、と落ち込む有吉に何と声を掛けてあげたらよいだろうと家泉は悩んだ。
すると、祥子の成婚コンシェルジュからこんなアドバイスが返ってきた。
今、有吉に出来る事は、迷っている彼女の負担を軽くしてあげることしかない。
交際は一時停止、有吉も休止にしていた活動を再開することになった。
しかし有吉は、心の中では彼女を待つことに決めていた。自分には彼女しかいない・・・そう確信していたからだ。
結局、気になっていた男性は仕事の都合でイギリスに転勤してしまい、祥子は不安定な気持ちのまま、新年を迎えた。
友人達から届く年賀状の一枚一枚を、なんとなくぼんやりと眺めていた。
“子供が産まれました”“結婚しました”と嬉しそうに綴られた友人達の近況を見ると、「やっぱり私には・・・・」と感じ始める。 そして、まっさきに思い出したのは、有吉の笑顔だった。
1月の下旬、祥子から「報告があります」と連絡が入った。
家泉はドキドキしながら二人を待った。彼女からどんな報告を受けるのだろう、もう有吉との関係には終止符を打ちたいのだろうか・・。しかし、その心配は杞憂に終わった。
二人は、お互いを一生のパートナーにしたいという結婚の意志を固め、報告に来てくれたのだ。
家泉は二人の幸せを満面の笑みで心から祝福した。
まわり道をしたからこそ“本当に大切な存在”が見えてくることがある。
「私のことを何よりも大事だと言ってくれる、彼の気持ちを大切にしたい」と話す祥子の言葉には、彼への信頼と愛情が溢れていた。銀座店に舞い込んできた幸せの開花は、一足早くやってきた春の訪れのようだ。
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