あなただけのラブストーリー

運命のツボ

「運命って、ちゃんとあるんだ」

伸一郎とのデートの帰り道、さやかはまだ胸の鼓動の高鳴りを隠し切れないでいた。こんなときめきを最後に感じたのはいつだっただろう。もしかしたら高校の時、先輩にチョコをあげた時以来かもしれない、そんな自分を思い出しておもわず顔がニヤケてしまった。この歳で本気でときめく相手にまためぐり合えることができるなんて。嬉しさと恥ずかしさのあまり、胸がドキドキで押しつぶされそうだ。

「なんだかご機嫌ね?いいことあったの」居間にある革のソファに座りながら母は先月、二人でいった京都旅行の写真を丁寧にスクラップしていた。「うん、あのね!凄いいい出会いがあったの。ほら、この前入会したパートナーエージェントで。でも、ちょっと最初の条件とは違ってきたんだけど」微笑みながらさやかの話をウンウンと聞いていた母だったが、急に顔色が曇りだした。

「そんなのダメよ!全然、条件に合わないじゃない。大学も出ていないし、仕事だって転職を希望してるんでしょ?一つの会社を勤め上げられないなんて根性がないわよ。そんな男にさやかを任せるなんてこと、とんでもない!」母の迫力にさやかのときめきまでもがどこかへ吹っ飛んでしまった。多少は反対されることを覚悟していたが、正直ここまでとは思わなかった。

「とても気が合うの、運命を感じるの」という言葉にももう母は耳をかさなかった。何十年も一緒に住み、友達のように仲良くしてきた大好きな母の言葉だ。残念ながら二人はお互い連絡を取る事を控えることにした。

「うーん、何か違う、違うんです」

さやかは再び、母の言うとおりの条件にあう別の人と会ってみる、でもどこか違う。自分がそう感じているせいか相手にも毎回断られる。大卒・勤続年数・長男じゃない・東京以外はNG・・、母に言われるままさらに絞って条件を厳しくする。 すると、もちろんもっとうまくいかなくなる。さやかはもう自分でもどうしたいのか分からなくなり、同時に頑なにもなっていった。

「うーん、うーん、でもでも何か違うんです」「さやかさん!違うって言っても条件に合う人ですよ。こんなに条件を絞ったら出会いはどんどん狭まるばかりじゃないですか?もう、いい加減にしなくちゃ!こんなことをいつまで続けてもしょうがないでしょう。さやかさんは一体、どうしたいんですか?」大きくため息をつく成婚コンシェルジュ宮地にさやかは何も言い返せないでいた。

一方の伸一郎もさやかのことを忘れられないでいた。明るくて話の面白い伸一郎であったが、雰囲気といい、笑いといい、自分とウマの合う女性を他にはみつけられないでいた。やっぱりあの時出会った、ちっちゃい体全身で感情を表す小動物のような愛らしいさやかのことが、別の人と会っていてもいつも気になって仕方なかった。

そんなある月曜日のお昼

突然、さやかから宮地に電話がかかってきた。
「この前、宮地さんにガツンと言われて目が覚めました。わ・・わたし、やっぱり、伸一郎が好きです!わかったんです!やっぱり運命の人は彼しかいません。いざとなったら家を出る覚悟です。どうか私の気持ちを少しでも早く彼に伝えてください!」

さやかの決意に押されるように、伸一郎の成婚コンシェルジュを通していち早くさやかの熱い想いが伝えられた。そう!運命の二人の出会いがついに動きだしたのだ。そしてそれから1週間も満たないうちに二人は揃って新宿店にやってきた。

「私達、 結婚することに決めました!」二人の手はしっかりと握られていた。お互いを見つめあう目には確かな愛が宿っている。 もう二度と・・この手を離さない、と。「さやか」「伸一郎」と昔からの幼馴染のように、熱く名前を呼び合う二人。
まだこれからさやかママへの説得が残っているが、どんな事があっても、もう離れられない二人がここにいた。お互いを想う確かな愛がここにあった。

最後に宮地が一つだけ確認した。「結婚の決め手は何だったのですか?」
「二人で一緒にいると、本当に心から安心するんです。居心地がいいというか、笑うツボも一緒だし、なんだかとても他人とは思えなくて・・・。これが運命ってものなんでしょうか。運命の、そう愛のツボが僕らの中でピタッと合ったのかな」
嬉しそうにノロケまくる伸一郎を横目に、さやかは軽くウィンクをした。

あなたの婚活を、私たちコンシェルジュが責任をもってサポートします。ご来店お待ちしております。

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