あなただけのラブストーリー
縁は、縁を呼ぶ
と、そう清志はプロポーズの時の感動を振り返る。
幸せ溢れる笑顔の美穂と並んで、新宿店に挨拶にきた清志の顔は晴れ晴れしかった。そんな二人を見て、ずっと清志を応援していた成婚コンシェルジュ井内の胸の中にも熱い思いが込み上げる。
「なんて素敵な方だろう」というのが初めて井内が清志に会ったときの印象だった。男性にこういう表現は適当かどうかわからないが、とても美しい男性なのだ。低い落ち着いた声でゆっくりと話す姿勢には大人の余裕と優しさが感じられた。洋服のセンスもよく、坊主頭にさらりとハンチング帽子をかぶり、清潔感溢れる素敵な男性だった。パッと見てお洒落なデザイナーをイメージさせる。
それは彼の職業が「お坊さん」だったからだ。
「お寺と霊園を抱えているのでお嫁さんになってくれる方には、一緒に檀家さんとお付き合いしていただいたり、霊園を守ってくれる方が必要なんです。この仕事についたこともご縁があってのことなので、僕はこの仕事を誇りに感じています。ぜひまた素敵なご縁を通して、生涯を共にする女性とここでお会いすることができれば・・・・」
そう柔らかく話す清志の話を聞きながら、井内は外見だけではなく彼の知的で誠実な人柄にも魅力を感じた。
きっと大丈夫。こんな素敵な方だもの、素晴らしいお相手がきっとすぐに見つかると、井内はそう確信していた。
その反面、結果はなかなか出なかった。どうしても紹介の段階で、お相手の方から「Yes」のお返事がいただけなかったのだ。というのも予想以上に女性にとって、「お坊さん」というお仕事に対するネックが大きかったようだ。
しかし井内はここである大きな決断をする。彼の在籍するコースを変更して、紹介の幅を思い切って他の提携店まで広げた。
まずは彼のプロフィールを紹介してそれを見て「会いたい」という方を積極的に取り込む作戦だ。
「会ってさえもらえば、絶対に気に入っていただける」という自信が井内の中にあった。
彼女は彼の職業を承知の上なので、後は清志が気に入るかどうかだけが問題だった。初回のお見合い当日から、すぐに清志と美穂は意気投合した。当日には二人から交際の意思の連絡がすぐに入った。それから一ヵ月後、横浜の出張先にいた井内にわざわざ外部から電話が入った。
なんと清志からで、美穂にプロポーズをしたところOKをもらえた、というのだ。
「初めて会った時から“この人となら”という気持ちがあったんです。この一ヶ月の間、何度も何度もメールのやり取りをして、忙しい中でもなんとか時間を見つけては二人で会っていました。とにかく僕の仕事をちゃんと理解してくれて、一緒に応援したいって言ってくれて、本当、嬉しかったです」
清志は仕事柄、必ず約束を実行できるとは限らない。いつ葬儀が入るかわからないからだ。そんな清志に美穂は最大限の理解を示し、仕事帰りに夕方に時間を合わせて会うなどして、二人は静かにそして確実に愛を温めていった。そう、出会った瞬間から二人は「結婚」を強く意識していたのだ。
運命的に出会い、意気投合した二人は、会うたびにお互い強く惹かれていった。回を重ねるごとに結婚への“希望”は「この人となら!」という揺るぎ無い“確信”へと変わっていった。この人と出会うために今までの回り道があった、そう思えるほどの出会いだった。
「生涯の伴侶となるべき素晴らしい女性の美穂さんに出会ったのも縁ですが、そんな美穂さんと出会うきっかけを作ってくれた井内さんをお会いできたのも大事な縁です。感謝しています。」
そう和やかな雰囲気の中で二人が微笑みながら、感謝を述べる清志の言葉に井内は思わず涙がこぼれた。
そんな人と人を結ぶ素晴らしい出会いに心から思う、 “縁は、縁を呼ぶ”と。
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