毒親育ちでも幸せな結婚ができますか?(前編) - 婚活あるある

毒親育ちでも幸せな結婚ができますか?(前編)

2020.05.17

「毒親育ちの自分には、幸せな結婚なんてできないんじゃ……。」
 
婚活女子からそんな悩みをいただくので、毒親フレンズの一員として回答したいと思う。
 

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「幸せな結婚」のサンプル収集

 
「そもそも幸せな結婚をイメージできない」という毒親フレンズは多い。
 
オギャーと生まれた瞬間から毒家庭で育った人が、結婚にネガティブなイメージをすり込まれてしまうのは自然なこと。
 
けれども「結婚は単なる箱で、中身は50年の共同生活」
 
結婚という箱は同じでも、中身はみんなそれぞれ違う。
 
「結婚=不幸」というイメージを変えるために、「幸せな結婚」のサンプルを収集しよう。
 
周りの既婚者でもいいし、ネットや本でもいいので、「こんな家庭を築きたいな」というサンプルを集めてほしい。
 
それで「理想の家庭像」をイメージできるようになれば、「理想のパートナー像」及び「パートナーに求める条件」も見えてくる。
 
日本人はノロケや自慢と思われたくなくて、パートナーを褒めない人が多い。
 
なので既婚者にヒアリングする際は「安西先生、ノロケが聞きたいです……!!」とスラムダンクの三井顔で頼んでみよう。
 
ちなみに拙者の推しは花道だ。
 
拙者は「結婚は人生の墓場だよ」的な呪いを滅ぼしたくて、初老の夫婦のノロケを書きまくっている。新刊『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』もサンプルに加えていただければ幸いだ。
 

結婚は相手次第、誰を選ぶか?


 
毒親育ちの読者から「アルさんのコラムを読んで『結婚っていいかも』と婚活を初めて、幸せな家庭を築けました」と嬉しい報告をいただく。
 
彼女らが言うのは「結婚は本当に相手次第、誰を選ぶかですね」という言葉、また「結婚に不安や恐怖があったけど、パートナーに出会って『この人だったら大丈夫、幸せになれる』と思えました」という言葉だ。
 
これは私自身もそうだった。
 
毒毒モンスターペアレンツに育てられた私は「自分なんか幸せになれるわけがない」と悲しきモンスター思考になっていた
 
毒親育ちは親に否定されて育つため、自己肯定感が息してない状態になりがちで、それが恋愛にも影響を及ぼすことが多い。
 
過去の私も嫌われるのが怖くて素の自分を見せられない、言いたいことを言えないポイズン状態だった。
 
かつ見捨てられ不安が強すぎて、お試し行動をしてしまうことも多々あった。 
 
もう別れる!!と叫んで家を飛び出す→あっさり振られるパターンを繰り返し、「アルテイシアのライフはゼロよ……。」と虫の息だった時に、アナルガバ夫に出会ったのである。
 
ガバ夫は私のメンがヘラって暴走しても、「俺は別れる気はない」とキッパリ言ってくれて「この人だったら大丈夫」とようやく思えた。
 
また「こんな自分を変えなきゃ幸せになれない」と悩んでいた私に「今まで大変なことがいっぱいあったんだから、不安定になるのは当然だろう、べつに変わらなくていいんじゃないか」と言ってくれた。
 
「それでいいのだ」と生まれて初めて全肯定されたことで、我がメンは安定した。
 
同時に「私には新しい家族がいるんだから、親なんかどうでもいい」と毒親の呪いからも解放された。
 
「毒親の呪いを解かないと幸せになれない、前に進めない」と悩むフレンズは多いが、「この人だったら大丈夫」と心から思える相手に出会ったら、前に進めるものである。
 
そんなパートナーと出会うことを目標にして、婚活をしてほしい。
 
そのために、過去記事『恋愛初心者が1年以内に結婚する方法』『彼氏いない歴=年齢の女性のための婚活攻略法』を参考にしてほしい。
 

アナルガバ夫の見つけ方


 
「私が毒親カムアウトしたら相手はどんな反応をするだろう、こんな私を受け入れてくれるだろうか、ドン引きされて振られてしまうんじゃないか」と、毒親育ちは不安を抱えている。
 
たまたま相手も毒親育ちだった場合は、話が早い。
 
「親がしんどい、会いたくない」「だよな、わかる!」とガッチリ握手して、親の悪口大会でレッツパーリー!みたいな展開になりがちだ。
 
とはいえ毒親育ちだからといって、必ずしも理解し合えるわけじゃない
 
「自分の方がつらかった」とマウントしてくる人もいるし、「自分は我慢して親と会ってるんだから、キミもそうしろ」と押しつけてくる人もいる。
 
むしろ、そっちの方が厄介だったりもする。
 
一方、円満家庭育ちでも、毒親育ちのつらさを理解して支えてくれる人もいる。
 
それらを決定づけるのは人間性、すなわちアナルである
 
アナルを便利づかいしているが、器の大きさ、優しさや思いやり、共感力や想像力……。
 
全部ひっくるめてアナルと呼ぶ。
 
アナルが広大なる人物は、傷ついた人の心に寄り添い、病める時ベースで支えてくれる。
 
そんなパートナーとは、対等に話し合って歩み寄れる関係を築ける。
 
ガバ夫に出会った当初、全身迷彩服だし貧乏そうだし昆虫と恐竜の話しかしないし「この人と恋に落ちるとか100パーないな」と思っていた私。
 
でも恋に落ちないまま試しに付き合ってみたら、パーフェクトアナルの持ち主だった。
 
短期間でアナルを見極めるのは難しい。
 
アナルを深掘りするために、何度か会っていろんな話をしてほしい。
 
たとえば「同僚が鬱病で休職している」みたいな話をした時に「鬱は甘え」「仕事はみんなつらい」とか言う人は、絶対やめたほうがいい
 
そういう人は病める時ベースで支えてくれないし、モラ夫に転じる可能性大である。
 
DV問題、貧困問題、LGBT、パワハラ、セクハラ、マタハラ、不妊治療……など、いろんな話を振って相手の反応をチェックしよう。
 
それで「この人なら大丈夫そう」と思ったら、毒親カムアウトしてみよう。
 
激ヤバ過干渉系の毒母を持つ友人は、婚活で出会った円満家庭育ちの夫氏と結婚した。
 
結婚話が出たタイミングで毒親のことを打ち明けると、夫氏は「それは虐待だよね、つらかったね」と彼女を抱きしめて「これ以上傷つかないために、僕を盾にしてほしい」と言ってくれたそうだ。
 
そして現在、夫氏は盾として絶賛活躍中。
 
「母からのしつこい誘いも夫が断ってくれるんです。どうしても会わなきゃいけない時は同行してくれて、彼がいると母も遠慮するので、ヤバみが激減しました」と彼女は語っていた。
 
そんな最強の盾(ヴィブラニウム製)を手に入れれば、キャプテンアメリカばりにパワーアップして、毒親サノスとだって闘える。
 
私は娘のガモーラちゃんが気の毒で涙が出るし、サノスの金玉顔を見ると吐き気がする。
 
マーベルの話はさておき、いろんな夫婦を見て思うのは「アナルの拡張は難しい」ということだ。 
 
人間性はそう簡単には変わらない。
 
「結婚したら変わってくれるかも」「私が頑張ればうまくいくかも」とポジティブ転換せずに、「この人だったら大丈夫!!」と自信を持って言える相手を選んでほしい
 
―後編は毒親カムアウトについて語ります。

後編へ続く

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アルテイシア

作家、神戸生まれ。『59番目のプロポーズ』で作家デビュー。著書『オクテ男子のための恋愛ゼミナール』『オクテ男子愛され講座』『恋愛とセックスで幸せになる 官能女子養成講座』『オクテ女子のための恋愛基礎講座』『アルテイシアの夜の女子会』『40歳を過ぎたら生きるのがラクになった』他、多数。 最新作は『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』http://urx.space/Qx6M ▼Twitter:https://twitter.com/artesia59