毒親育ちでも幸せな結婚ができますか?(後編) - 婚活あるある

毒親育ちでも幸せな結婚ができますか?(後編)

2020.05.17

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毒親カムアウトのやり方

 
毒親カムアウトをするのは怖いもの。
 
「引かれるんじゃないか、わかってもらえないんじゃないか」と不安だし、そもそもつらい話をするのはつらい。
 
私も若い頃は、親の話をしようとすると涙があふれて言葉がつまった。
 
毒親育ちはこれ以上傷ついたら死んでしまうぐらい、さんざん傷ついてきたのだ。
 
勇気を出して毒親の話をしたら「お母さんも大変だったんじゃない?」「あなたのことが心配なのよ」「不器用だけど愛情はあったと思うよ」「親子なんだから、話し合えばわかりあえるよ」とか返されて、「やっぱりわかってもらえない」「私の味方はいないんだ」と絶望して、それ以上話せなくなる。
 
そこで「話し合って分かり合える親なら、そもそも苦しんでないんじゃい!!!」と叫べるのは、傷が癒えた後である。
 
というわけで、うまく話せる自信がない人は、手紙やメールで伝えるのがおすすめだ
 
「大切な話なので読んでほしい」と手紙やメールを送れば、相手も心の準備をして読むし、何度も読み返して理解を深められるし、どんな言葉を返すか推敲できるのもメリットだ。
 
メールや手紙には、親からされてつらかったことや、自分の気持ちを正直に書こう。
 
どれだけ長文になってもいい。
 
むしろ長い方が「わかってほしい」という思いが伝わるので、言いたいことを全部伝えきろう。

 
たとえば『毒親の話をした時に「愛情はあったと思うよ」「話し合えばわかりあえる」とか言われると、すごくつらい』といったことも書くといい。
 
また「私の話を否定せずにただ聞いてくれるだけで嬉しい」といった要望も書こう
 
そうすれば、相手は「気のきいた言葉やアドバイスを返さなきゃ」と誤解せずにすむ。
 
毒親育ちじゃない人が、毒親育ちの気持ちを「感覚」として理解するのは難しい。
 
我々フレンズもそこまでは望んでなくて、「自分は親を好きだけど、親を嫌いな人もいるんだな」と頭で理解してくれればいい。
 
かつ「親を嫌いたい子どもなんていなくて、親を愛したいし親から愛されたいと誰よりも望んできた。
 
でもどうやっても無理で、そのことで本人が誰よりも傷つき自分を責めている」ことも理解してほしい。
 
こうした心理を解説した、毒親やACに関する本を相手に読んでもらうのもいいだろう。
 
拙書『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』もよかったら参考図書に加えてほしい。
 
私の本にしては下ネタも少なめなので、たぶん大丈夫だと思う。
 

毒親育ちゆえのプラス面

 
「毒親持ちの私と結婚したら相手も不幸にしてしまう、まともな家庭で育った女性と結婚した方が幸せだ」と、私も毒親コンプレックスに苦しんでいた。
 
だがいろんな夫婦を見てきて、毒親育ちゆえのプラス面もあることに気づいた。
 
まず、毒親育ちは親族間のトラブルに強い
 
自分も苦労してきたぶん「どーんと来いや!」と受け止められるし、「チームで戦っていこうぜ!」と病める時ベースで支え合える。
 
また「やっと手に入れた巣を壊してなるものか」との思いから、家庭を大事にする。
 
実家が地獄だったぶん今の幸せに感謝するし、「あの地獄から救ってくれてありがとう」とパートナーに感謝する。
 
私も夫のアナルを「ありがてえ、なんまいだぶ」と日々拝んでいる。
 
もし何不自由ない家庭で育っていたら、実家と比べて不満を抱いたかもしれない。
 
実際、マザコンやファザコンで実家と密着している人や、「親はこんなにしてくれたのに」とパートナーに不満をぶつける人もいる。
 
「自分も毒親になってしまうのでは……?」と不安を抱くフレンズは多い。
 
でも「虐待の連鎖」なんて言葉に怯えないでほしい
 
周りの子持ちフレンズたちは「自分が親になって、うちの親のヤバさに改めて気づいた」と声をそろえる。
 
そして「あんな親には絶対なりたくない」という強い思いから、「自分が親にされて嫌だったことは絶対しないし、自分がしてほしかったことを子どもにしている」と語る。
 
DV家庭で育った友人は「子どもの頃、毎朝目が覚めるのが怖かった。だからいま子どもを起こす時は歌を歌ったりくすぐったりして、笑顔で目覚めるようにしてる」と話していた。
 
また「あなたがどんな子でも、ママとパパはあなたのことが大好きだからね」と毎日伝えているそうだ。
 
そんなふうに子育てする中で、自分自身も癒されているという。
 
私と夫は子どもを持たない選択をしたが、それも夫婦で話し合って決めればいい。
 
幸せの形は人それぞれで、自分達に合った形にカスタマイズすればいいのだ
 
私が一番実感しているのは「毒親育ちは形にこだわらない」ということだ。
 
周りのフレンズたちも「豪華な結婚式じゃなきゃイヤ」「おしゃれなマンションじゃきゃイヤ」とか言わない、平和に安らかに暮らせればそれで十分だから。
 
毒親育ちは結婚にキラキラした夢や憧れがないぶん、「現実」として考えられる。
 
「結婚は単なる箱で、中身は50年の共同生活」という視点でパートナーを選べるのだ。
 
私も夫と暮らせればよかったから、結婚式も指輪の交換も何もなく、婚姻届を出すだけというシンプルスタイルを選んだ。
 
それなら5分でできるしタダである。
 
私が法律婚を選んだのは、戸籍上も親と離れたかったからだ。
 
独身時代「もし私が救急車で運ばれた時、親に延命や治療の方針を決められるなんて死んでもイヤだ」と思っていた。
 
だからこそ、決死の覚悟でパートナーを求めたのだ。
 

「ホレたハレたはいらない、家族がほしい……!!」という切迫した思いが、強力なモチベーションにつながった。
 
もし私が毒親育ちじゃなかったら「婚活ダルいし、もういいや」と諦めていたと思う。
 
なにより、夫のアナルの尊さに気づけなかっただろう。
 
マイナスだけだと思っていることにもプラスはある。
 
最後に、毒親育ちは毒親フレンズとぜひつながってほしい
 
傷ついた心の回復には、安心できる場所で気持ちを吐き出して、理解共感してもらうことが効果的。
 
ネットの毒親コミュニティなどで仲間とつながれば、それが自分を守る盾になってくれるだろう。
 
毒親と1人で戦うのはキツいけど、仲間がいれば百人力。
 
結婚について親が難くせをつけてきても「I have nothing to prove to you(あなたに認めてもらう必要はない)」とキャプテンマーベルのように宣言できる。
 
以上、少しでも毒親フレンズの参考になれば嬉しく思う。
 
みんな、どうか幸せになってくれよな!!

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アルテイシア

作家、神戸生まれ。『59番目のプロポーズ』で作家デビュー。著書『オクテ男子のための恋愛ゼミナール』『オクテ男子愛され講座』『恋愛とセックスで幸せになる 官能女子養成講座』『オクテ女子のための恋愛基礎講座』『アルテイシアの夜の女子会』『40歳を過ぎたら生きるのがラクになった』他、多数。 最新作は『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』http://urx.space/Qx6M ▼Twitter:https://twitter.com/artesia59