ブラック企業の見分け方!現役人事部が知る企業の裏側とは?
婚活で出会った人と結婚し、今では本業で企業の人事部、副業でライターをしている兼業ワーママのうーちょです。
みなさん「ブラック企業には入社したくない!」と考えて、就職活動をしますよね。
しかし、今ブラック企業に在籍している社員スタッフは、就職活動時にブラック企業だと知って応募するでしょうか?
残念ながら、多くの人はブラック企業だと知らずに就職活動、入社した人が多いと言えます。
入社後に「こんなはずじゃなかったのに…」と後悔しないために、現役人事部の私が、採用の裏側を交えて「ブラック企業の見分け方」を紹介していきます。
目次
ブラック企業の代表的な特徴
社会問題として取り沙汰されている“ブラック企業”。
実は、明確な基準は定義されていません。
しかし、ブラック企業と呼ばれる企業は、
・長時間労働が常習化している
・給与が最低賃金を下回る
・ハラスメントが横行している
といったように、法令が遵守されていない、劣悪な労働環境を持っている傾向があります。
就職・転職活動中のブラック企業の見分け方は?
求人票や面接の対応にも「ブラック企業ならではの特徴」は現れるものです。
就職・転職活動中にチェックできる「ブラック企業ポイント」を紹介していきます!
応募する前にチェック!ブラック企業の見分け方
応募前にブラック企業を見分けるためには、以下のポイントに注目してみましょう。
・年中、求人募集をしている
・求める人材が誰でもウエルカム状態
・離職率が高いか確認する
・口コミを見る
ブラック企業は、社員スタッフの退職率が高い為、つねに人手不足になりがちに。
人手不足を埋めるために、求人募集でも「誰でも良いから頭数を揃えたい」という状況になります。
なので、募集要項でも「未経験大歓迎」「資格不要」「学歴不問」など、かなり応募ハードルを下げて、誰でも応募できる求人募集を年中行うようになるのです。
離職率については、“四季報”にて、新卒社員3年間の離職率を公表しています。
この離職率が30%を超えていると、離職率が高いと言えるでしょう。
また、口コミサイトでは、実際その企業で働いた経験がある社員スタッフが口コミを書いています。
有名どころで言うと、みん就・エン転職などはチェックするのがオススメ。
しかし、口コミサイトは、主観的な意見が強いので、100%信じるのではなく、あくまで参考程度にしておきましょう。
内定前にチェック!採用試験・面接におけるブラック企業の見分け方
採用試験・面接に行った際に下記のような点があった場合には「ブラック企業かも…?」と、その企業をもう一度見つめ直してみてください。
・社員スタッフの雰囲気が悪い
・具体的な説明ない
・面接時間が短い
・雑談が多い
先述したように、ブラック企業の特徴として「つねに人手不足」なので、社内の社員スタッフは仕事に追われ、余裕がなくイライラするなど、社内環境が悪いことが多いです。
特に、社内で怒鳴り声などが聞こえれば要注意。
日常的に、怒鳴り声・行き過ぎた教育・ハラスメントが行われている疑いがあります。
もしも見学時に社員の姿が見えなくても、社内のオフィス環境をじっくり観察することが大切。
明らかに散らかり放題だったり、書類や備品が粗末に扱われたりしていませんか?
社員スタッフが、身の周りに気を使う余裕がないほど疲れ果てている現れかも知れません。
そして、面接官の対応も要チェックです。
面接の“中身“があまりにも薄い場合、「真剣に人材選考をしよう」という意思がないと言えます。
なぜなら、ブラック企業は社員スタッフを採用してもすぐに退職するサイクルが出来ているので、真剣に人材選考する時間・手間が無駄だと考えられるから。
面接で、その人材を本当に必要か見極めるには、少なくても面接時間60分必要です。
面接が30分以内に終わる、雑談多い、業務内容の詳細を教えない・面接官が知らないなどあれば、そもそも人の見極めを大切にしないと言えます。
つまり、社員スタッフの扱いも適当=ブラック企業の疑いありです。
勤め先はブラック企業…?入社前後の見分け方
企業から採用内定の連絡があっても、ちょっと待った!
入社前後だからこそ、ブラック企業かどうかの最終チェックを行いましょう!
雇用契約書を確認
まず、採用内定の連絡があれば、雇用契約書をもらうように。
その雇用契約書では、以下の項目は最低限チェックしましょう。
・基本給の計算
・残業代の支給要件
・休日の取得要件
・保険の加入有無
基本給は、働く時間×各地域の最低賃金以上の金額になるよう法律で義務付けられています。
なので、この基本給が最低賃金より下まわっていれば、その時点で法令違反=ブラック企業の疑いです。
基本給を確認する際に注意すべき点は、基本給は残業手当(見込み残業代)が入った給与額かどうか。
求人票には、基本給の中に残業代を含めた給与額を記載した、「かさ増し給与の求人」もあるため、基本給の計算式を確認しましょう。
のちに残業代の支給について、トラブルを防ぐことができますよ。
また、保険の加入条件についても確認が必要です。
労災保険は週の労働時間に関わらず、必ず社員スタッフ全員加入しています。
健康・雇用保険は週30時間以上勤務する者は加入可否を選べます。
しかし、この加入条件を満たしているのに、保険加入させない企業もあるようです。
なぜなら、社員スタッフに保険加入させると企業側に保険料を負担する必要があるため、個人で加入・全額負担させて保険料を浮かす狙いがあるからです。
これら雇用契約書の必須項目ですが、もし記載がない・もしくは不明点あれば必ず署名・捺印をする前に、人事部や面接担当者に問い合わせましょう。
周りの社員スタッフを観察
周りのスタッフを、くまなく観察しましょう。
特に、入社2~3年の先輩は要チェック。
なぜなら、ある程度会社の事を知っていて、尚且つ、1年~2年の先輩なので一番、自分の将来像に近い姿だと言えるから。
例えば、その2~3年の先輩は、なんだか気だるいそう&溜息で、疲れた雰囲気はないでしょうか。
もし、かなり疲れた様子や、会社の事を愚痴っていればその理由をしっかり聞いてみましょう。
明らかに会社の内部が悪質な雰囲気であった場合は、自分も数ヶ月後には悪い雰囲気を身にまとって働くことになるかもしれません…。
会社の内部を見て、自分がそこでイキイキと働く将来を描けなければ要注意です。
ブラック企業だと見分けた後に取るべき行動は?
入社後に「これはブラック企業だ!」と分かったら、取るべき行動は「退職準備を始める」「労働基準監督署に相談」の2つです。
ブラック企業にいても、時間や心身をすり減らすばかりなので、早めの行動が大切になります。
退職準備を始める
そもそも法令違反をしている(疑いがある)ブラック企業では、いくらキャリアを積んでも社会的な信頼性も薄いです。
しっかりと法令遵守した企業で功績をあげた企業と、法令違反をした上でなんとか功績をあげた企業だと、圧倒的に前者の方がイメージはいいもの。
なので、ブラック企業には早めに見切りをつけて、次の企業でキャリアを積んだ方が有益!
さっさと退職準備を始めてしまいましょう。
「すぐ退職するなんて非常識では…?」と考える人も多いですが、法律上、退職希望する日の2週間前に、会社へ退職届を出せば問題ありません。
しかし、在職しているブラック企業が、どのような繋がりをもってあなたに風評被害をもたらすか分かりません。
事を荒立てて退職すると、今後の就職活動にも悪影響が出る可能性も。
退職希望を伝える際にはなるべく揉めないようにする、退職までの間はしっかりと引き継ぎや業務上の仕事を行うようにするなどして、穏便に逃げましょう!
労働基準監督署に相談
法令違反を対する企業に自分一人で立ち向かっても、上司や企業の顧問弁護士に言いくるめられてしまうことがあります。
そんな時は、労働基準監督署に相談するのも手です。
「こういう理由があって、法令違反の疑いがある。」と客観的に判断できる証拠をもって行きましょう。
例えば、長時間の違法労働を記したタイムカード。
賃金未払いを裏付ける賃金台帳。
暴言によるハラスメントなら暴言を録音したボイスレコーダーなどなど。
いろいろと証拠を揃えましょう。
また、一人より数人で手を組んでいくと、労働基準監督署も強い裏付けをもって調査に踏み切ることができるので、もし可能であれば賛同者を募るのも良いですね。
相談し、是正処置が進めば、ブラック企業で受けた損害が返ってくる可能性も。
例えば、賃金未払い・残業代不支払い・慰謝料請求などがあげられます。
「これってブラック企業…?」と判断が難しい場合でも、一度企業で起こったことに疑問を感じたら相談すると良いでしょう。
まとめ
ブラック企業の特徴、見極め方・対処法について紹介しました。
最後に、ブラック企業が持っている特徴と、ブラック企業の見分け方をおさらいしておきます。
・ブラック企業は長時間労働、賃金未払い、など法令違反の疑いが高い
・人の出入りが激しく常に人手不足なので、求人募集を年中している
・採用面接が適当&社内環境が劣悪
・入社前は雇用契約書の詳細を必ずチェック
・入社後は社員スタッフや社内環境を観察する
・ブラック企業であれば退職するor労働基準監督署へ相談
ブラック企業に惑わされず、自分のキャリアを勝ち取ってください!