「出会えない時代」が引き起こした恋愛の弊害とは【30代からの恋のかさねかた、愛のはぐくみかた】
20代とは違う30代の恋。結婚するか否かの分岐ともなる年代であることから、未婚の30代にとって恋に迷いはつきものです。この連載では、婚活のプロフェッショナルから聞いた、恋愛・結婚についてのヒントをお伝え。恋する気持ちに寄り添い、ポジティブな気持ちで毎日を過ごすコツをお届けしていきます。
個人情報保護が浸透し、仕事とプライベートを分けて考えることの多い現代は、「出会えない時代」。多くの人々が渦巻く都心部ほどその傾向は強まっているそうです。昔と今と、どこがどう違うの? そんな時代の恋愛における弊害とは?
今回は、「出会えない時代」における恋愛についてのお話です。
目次
いつからか社内の人間関係は賑わいを失った
昔はパワハラやセクハラと言われるようなこともなく、当たり前のように上司や同僚におせっかいを焼かれたり、プライベートなところまでつっこんで質問されたりしてたんですよね。
それが良いか悪いかは別として、そういった環境のなかで社員旅行や運動会があったり、飲み会も多かったり、人間関係が密になる機会が多かったんです。
そこから、あの子いいな、あの人素敵だな、と、仕事仲間の魅力を仕事以外のシーンで感じることができたものです。そうした付き合いが好きか嫌いかは別として、会社内の人間関係がにぎわっていたことはたしか。
今は仕事とプライベートを明確にわけて考える人が多いですよね。少しつっこんだ質問やアドバイスをすると、「それは行き過ぎじゃないですか?」と周りからプレッシャーをかけられます。個人をガードする風潮が強い分、保護されるだけではなくて、人と関わりにくくなっている部分があるんです。
知らない人は不審者?
一方、プライベートでも出会えない傾向は高まっています。特に都心では、地域や街中でも知らない人に声をかけると不審者扱い。あいさつすらひかえるようになると、自然に会話が生まれることもなくなっていきます。普通のことが、普通にできなくなっているところがあるんですね。
SNSで忙しく、リアルな人間関係は後回しになりがち、という側面も気になります。合コンなどでもとりあえずLINEでつながる、というのが目標。話題が行き交う前に、相手がどんな人か知る前に、とりあえずLINEのアカウント交換会になってしまうんです。
その結果、仕事関係や仲のよい友人などとはそれなりに話す機会があっても、ある程度距離のある人との会話に慣れていないまま日々を過ごしていくことになります。
メールが主体。完璧な自分じゃないと話せない
その弊害なのかもしれませんが、SNS上のコミュニケーションは得意でも、リアルな会話は苦手、という人がどんどん増えていっている気がしますね。
SNSやメールだと考える時間があるので、その間に考えたり調べたりして人の真似ができます。そうして、不意打ち、1対1で面と向かってその場の対応力が求められる状況は苦手になっていきます。
「失敗したくない」。その気持ちがすごく強いので、失敗したくないあまりに自分を表現するのが怖くなってしまう。会話のときもかまえすぎてしまうので、相手もかまえてしまって、話していてもお互い内容が心に入っていかないんです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。恋愛も結婚生活も、SNSやメールでコミュニケーションをとるものではなくリアルな関わりです。普段から、できるだけ面と向かった会話から相手を知るように努力していきたいものですね。
桑宮理恵子さん(婚活支援サービス パートナーエージェント/コンシェルジュ)
コールセンターで培ったコミュニケーション力から、どんなことでも気兼ねなく話せると定評があるコンシェルジュ。本音トークで会話をし、人の長所を見つけることが得意。鋭い観察力と幅広い話題で、婚活に悩む人々を全力でサポートします。
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