“セルフコーチング”でわかる、自分らしい恋愛と結婚【30代からの恋のかさねかた、愛のはぐくみかた】
20代とは違う30代の恋。結婚するか否かの分岐ともなる年代であることから、未婚の30代にとって恋に迷いはつきものです。この連載では、婚活をサポートするプロフェッショナルから聞いた、恋愛・結婚についてのヒントをお伝え。恋する気持ちに寄り添い、ポジティブな気持ちで毎日を過ごすコツをお届けしていきます。
今回は、あなたの恋にセルフコーチングを活かすためのお話です。
自由が少なかった昔よりも、あらゆる選択肢のある現代の方が逆に生きづらいのでは? と密かに感じている人もいるのではないでしょうか。「自由に選択できる世の中だからこそ、恋愛や結婚において本当に自分がゆずれないものが見えなくなってしまってた…。」そんな人にぜひお伝えしたい、自宅でできるセルフコーチングの方法を紹介しましょう。
でも、その前に。そもそも、コーチングとは何なのでしょうか?
・コーチングとは、人材育成を行う手法の1つである。
・質問型のコミュニケーションを使い、目標に対して相手が取るべき行動を自ら選択することを促す手法であり、自律的な選択により行動を誘発することを実現できる。
・元々、英語の馬車(coach)を意味する言葉であり、そこから人を目的地まで運ぶという意味に派生し、転じて「人を指導する」という意味になった。
[引用:コトバンク]
コーチングは、個人の潜在能力や目標、問題の解決をコミュニケーションによって引き出す方法で、ビジネスシーンなどでは人材育成の目的で取り入れられています。しかし、これが恋愛にも応用できるのです。本来コーチングは、コーチと二人で行っていくものですが、コツさえ分かれば一人二役でセルフコーチングをすることが可能です。
目次
自由すぎるからこその不自由
昔は今よりもずっと自由が少なく、婚前交渉が認められなかったり、結婚相手を自分で決められなかったりすることも多かったものでした。たしかに不自由な時代だったと言えますが、選べない状況が普通だったので、疑問や不満を抱く人も少なかったのではないでしょうか。
しかし今は、恋愛にも結婚にもあらゆる選択肢があり、それを自己責任で選ばなければいけない時代。なんでもありの自由すぎる状況に、途方にくれてしまい、かえって不自由を感じる人もいるのではないでしょうか。
自分を軽く縛るということ
そんな人に試してもらいたいのが、自分を軽く縛るセルフコーチング。コーチングといっても難しく考える必要はなく、「いつも近道で帰っているけれど、違う道から遠回りして帰ってみる」「食べたことのないものに挑戦してみる」といったささいなことでOK。いつもなら自分が選ばないことをあえて選んでみるという縛りを、自らに課すのです。
なんでも自由に選べるときなら絶対に選ばないものをあえて選んでみる。食べてみる。会ってみる。体験してみる。そこで見えてくるものは、「これだけはどうしてもゆずれない」と再認識するあなたにとっての本当に大事なものと、「案外これも楽しいな」と発見するあなたの世界の広がりなのです。
そしてそれは、ありのまま、自分の欲するままで自由に溺れているだけでは、気づけないことなのです。
自分で質問して、自分で答えてみる
さらに、自分に自分で質問して答えるというセルフコーチングも有効です。
例えば、
「なぜ結婚相手にこの条件が必要なんですか?」
「お金が欲しいから」
「お金って、年収だといくらくらい欲しいのですか?」
「800万」
「その800万の根拠は何だと思いますか?」
「それくらいあれば無理なく生活できそうだから」
「そのときあなたの希望の働き方は?」
「共働き」
「共働きの期間があるのなら、別に相手の年収は800でなくてもいいんじゃないですか?」
という風に、もう一人の自分が質問して、自分で答えていく。そうすると、実はけっこう答えられないことも多いんですよね。そしてずっと必要条件だと思っていたことが単なる思い込みだと気づいたり、もう少し妥協できるかもと考え直したりすることができるんです。
頭の中で考えるだけだとぐちゃぐちゃになったり、堂々巡りになったり、他のテーマとすり替わっていってしまうことも多いもの。しかし、声に出すことで客観的に見ることができます。声に出すのがちょっと恥ずかしい、という人は、紙に書き出してみるのもいいかもしれせんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。あえて自分に負荷をかけて縛る。そうすることで、本当に必要なものを見抜き、不必要なこだわりを捨てる。それこそが、あなたが幸せになれる相手と巡り会い、添い遂げるために一番必要なことかもしれません。
吉田カンナさん(婚活支援サービス パートナーエージェント/コンシェルジュ)
ときには友人や家族にも言えない悩みを話されることもあるというコンシェルジュ。数多くのカップルの心に寄り添ってきた吉田さんならではのアドバイスが持ち味。
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