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初めての日本観光、半年後にはハワイでプロポーズ――茂木夫妻の“国際結婚”

『トトロ』で好きになり日本へ。初めての日本で2人は出会った

平田 恵(タメニー株式会社(旧株式会社パートナーエージェント)広報。以下、平田)

平田

結婚や恋愛の在り方が多様化してきています。この企画『Quality of Life』は、多様な結婚・恋愛の在り方を実践している方々との対談を通して、いろいろな結婚・恋愛の形を世の中の人に知ってほしいという思いから始まりました。

今回は、茂木 桂樹さんと奥様のサマンサさんにお越しいただき、「国際結婚」をテーマにお話を伺いたいと思います。まずは、なぜ「国際結婚しよう」と思われたのか、お教えください。

茂木 桂樹(以下、茂木)

茂木

僕は刺激を追い求めるのが好きで、ずっと同じ環境にいると不安になってしまう性格なんです。

そうした性格だからか、昔から海外に興味があり、大学生になると海外によく行くようになりました。海外でいろいろな人に出会う中で、「自分と違う考え方を持っている人と触れ合うことは面白い」と感じるようにもなりました。

そのころから、「自分の人生のパートナーになる人も、自分と違う考え方を持っている方がいい」と思い始めたんです。

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森本 千賀子(株式会社morich 代表取締役社長。以下、森本)

森本

奥様のサマンサさんとは、どこで出会われたのですか?

茂木

日本のシェアハウスです。偶然、同じシェアハウスに住んでいて、そこで出会いました。

サマンサ

日本には旅行で来ていました。旅行中の宿泊先として、シェアハウスを利用していたんです。
私はアメリカのアイオワ州で生まれました。幼いころ、宮崎駿監督の『となりのトトロ』を見て「日本ってきれいなところだな」と感じ、日本を好きになりました。
それ以来、図書館などで日本文化に関する本を読むようになったんです。そして27歳の時に、休暇を使って初めて日本に来ました。

茂木

僕たちが出会ったのはそのときです。僕たちが住んでいたシェアハウスは、外国人の利用者が多く、海外のバックパッカーが泊まるユースホステルのような雰囲気がありました。
住んでいたのは50人程度で、その3分の1くらいは他の人と積極的に交流する人たち。そういう社交的な人たちが集まるスペースがあり、そこでサマンサと出会いました。

きっかけは互いの“後ろ姿”。仕事の相談を受けて「リスペクトされている」と感じられた

平田

茂木さんは、サマンサさんのどんなところに惹かれたのですか?

茂木

後ろ姿ですね(笑)。「かわいい子が入ってきた」と思いました。実際に話してみて「素直で明るい子だな」とも感じました。

同じシェアハウスに住んでいたので、サマンサが他の人と接している姿も見ることができました。サマンサは僕と話しているときだけではなく、他の人と接しているときも明るくて元気。「相手によって態度を変えず、どの人に対しても、元気を与えられる子なんだ」と思いました。

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森本

サマンサさんが茂木さんと初めて出会ったときの印象は?

サマンサ

私も後ろ姿に惹かれました(笑)。彼の背中が、頼りがいがあるように見えたんです。

茂木

当時は体を鍛えていたので、今より背中が広かったんですよ(笑)

森本

お互い、後ろ姿に惹かれたんですね(笑)。その後、どのように仲良くなっていったのですか?

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茂木

僕が当時任されていた業務の中に、翻訳が必要になる仕事がありました。訳し方が分からない部分をサマンサに尋ねて、助けてもらいました。そうしてシェアハウスの中で真面目な話もしつつ、デートもするような関係になっていきました。

後から聞いた話になりますが、サマンサは、僕が仕事に関係することで頼ってくれたことがうれしかったそうです。

サマンサ

「アメリカは男女平等な社会だ」というイメージがあるかもしれませんが、私の故郷は田舎でしたから考え方が保守的でした。男性が女性に助けを求めることは、あまりありません。ですから、男性にリスペクトしてもらえたことがうれしかったんです。

平田

結婚に至るまで、どれくらいお付き合いされたのですか?

茂木

3カ月です。

平田

短いですね!

森本

ビザの有効期間もありますから、サマンサさんは1度、アメリカに帰られたのですよね?

茂木

そうですね。日本に来て3カ月後に帰国して、その1カ月後にまた日本に戻ってきました。その2回目の来日時に付き合うことにしたんです。

森本

アメリカへ帰国する前に、もう1度会う約束をしていたのですか?

サマンサ

約束はしていませんでした。でも日本に惹きつけられて、戻ってきたんです。

茂木

僕だけじゃなくて、日本に惹かれたということですね(笑)

サマンサ

もちろん、あなたにも惹かれたけれど(笑)

日本に来て、ここは自分の“home”だと感じました。「ああ、ここが自分のいるべき場所だ」と。

平田

日本のどういうところを“home”だと感じたのですか?

サマンサ

日本の人たちはとてもフレンドリーに、私を歓迎してくれたんです。

日本に来て、1人で九州を旅行したことがありました。日本語をあまり上手く話せなかったけれど、お年寄りの方々が優しくもてなしてくれました。

茂木

僕自身も新しい場所に行くことが好きなので、知らない土地を1人で旅行するようなサマンサの冒険心旺盛なところも魅力的に感じました。

「もっと一緒にいたい」と半年で結婚を決意