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育児しないのはもったいない!メリットの方が多い「男性の積極育児」

育児をしないのは“もったいない”。仕事にも役立つ育児経験

森本

共働きの家庭が増えてきたことで、男性の育児参加に対して「当たり前だ」「するべきだ」という意見が増えてきましたよね。男性の育児参加はどうあるべきか、お考えを伺わせてください。

髙木様はご自身の仕事を見せるだけでなく、それ以外の面でも育児に熱心だと伺っています。ご家庭では、子どもとどのように過ごしていらっしゃいますか。

髙木

僕は料理が好きなので、子どもと一緒によく料理をします。そうすれば家事も楽しくできますし、料理を通して子どもと時間を共有できます。

子どもと一緒に過ごすことで、「人間」というものをより深く理解できるようになってきたと感じています。なぜなら一番身近で「理屈でなく生きる人間」が子どもだからです。ロジックや業務命令でコントロールできませんので(笑)子どもの気持ちや想いを受け入れることが大きく必要となる。そうして肌身から得られた経験・理解が、仕事にも役立っているように思います。

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森本

女性目線で考えると、育児に参加しないのは男性にとってもったいないことだと感じます。

子どもの成長は本当に早いんです。ほんの少し目を離した隙に、新しいことができるようになっている。それを知らずに過ごすのはもったいないですよね。

子育てをしていると、子どもが急成長する様子を目の当たりにできます。こうした機会はなかなかありませんから、大きな刺激になります。子どもの成長を隣で見ていると「自分も成長しなければいけない」「自分も変わらなければいけない」と強く刺激を受けますね。

また、自分の精神状態がそのまま子どもとのやり取りに出てしまいます。常に平静でいるための訓練にもなります。

こうした点から、育児は自分の人間力を高めるとても良い経験になると思います。

佐藤

育児が自己をコントロールする訓練になる、という視点は新しいですね。

森本

自分が上機嫌のときは、子どもが何をしても許せますよね。でも、不機嫌なときには感情のままに子どもを正そうとしてしまいます。自分の感情の状態が、子どもとのやり取りの中ではっきり分かるんです。

頭ごなしに怒ると、子どもは意地になって聞き入れようとはしません。感情的にメッセージを発信しても、相手に届かなければ意味がないんです。子どもに対して平静を保つようにしたことで、ビジネスシーンでも感情を上手くコントロールできるようになってきたと思います。

そう考えると、男性の育児参加は「奥さんに頼まれたからする」「世の中の風潮に従ってする」ようなものではなく、むしろ「育児に参加しないと損するんだ」と知ってほしい。そう思います。

髙木

そうですね。そもそも家事も育児も「やらされる」ものでなく、エンジョイできればより能動的なものになり、「参加」という表現ではなくなるように思います。男性の能動的育児をもっと広めるためには、育児の楽しさについて発信・共有する機会が必要ですよね。

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森本

仰るとおりです。例えば髙木さんは、料理をする姿を子どもに見せていますよね。すると、子どもにとっては「男性が料理する」のが当たり前になります。

男性の育児参加も同じではないでしょうか。育児に参加する父親の姿を見て育った子どもにとっては、男性が育児に参加するのは当然のこと。父親が育児を楽しんでいる姿を子どもに見せることで、男性の育児参加が広まっていくのかもしれません。

「男性の育児参加」は夫婦ごとに決めること。自由に選択できる環境づくりを

佐藤

私は「男性も育児に参加すべきだ」と一概に強制するような風潮になっていないかと心配しています。家庭内の役割分担は夫婦の間で決めるべきことですから、外部から口出しするのは余計な干渉だと感じてしまいます。

例えば私の姉夫婦の場合、姉の方が夫よりも収入が多いんです。ですから2人で話し合った結果、夫が育児・家事を担当しています。結果的に男性が育児・家事を引き受けることになっていますが、夫婦で話し合い、納得した上で決めたことです。合理的な役割分担の決め方だと思います。

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私の場合は「仕事を全力でやるから子育てはしない」と宣言しました。反対に、仕事より家族で一緒にいることを優先する男性がいてもいい。それぞれの夫婦が話し合い、自由に選択できる環境をつくることが大事だと思っています。

森本

同感です。私はデメリットよりもメリットの方が上回っていると思うので男性にも育児参加をお勧めしますが、あくまでそれぞれの夫婦で決めることだと思います。

家事についても男女で分担することを促す風潮があるように感じますが、生産性という面からみると、家事は得意な方がすればいいと思います。女性の方が得意なのであれば、無理に男性が家事をする必要はないでしょう。

ただ、女性が「外で働きたい」「キャリアアップしたい」と思ったときにどうするか。男性も家事をしないのであれば、代わりに家事代行サービスを使うように男性が後押しする。そういうマインドセットが必要でしょう。

佐藤

性別にとらわれず、それぞれの夫婦で話し合って役割分担を決めること。そして話し合うときには、お互いをサポートする心構えを忘れないこと。この2点が重要ですね。

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